進路未定無職

隙あらば自分語りする場所です

いいえ、それは女子力じゃなくて人間力です。

(この文章は1ヶ月くらい前に書かれた文章です)

図らずも中学の英語の問題みたいな文章になってしまった。私はバイト先で意外と料理好き(ただし忙し過ぎてやる時間はない)みたいな感じになっているのだが、それに対してパートのお姉さんに「女子力高いし良い奥さん(お母さん)になるよ~」と言われて違和感を感じることが多い。この違和感を感じる女子力、何なのだろう…。

 

Wikipediaで調べると、「女子力」とは「女性が自分の生き方を向上させたり、自身の存在を世の中に示すために使う力を指す言葉。ただし明確な定義はなく、主に女性らしい態度や容姿、女性ならではの感覚・能力を活かすことなどを指す。」とのことらしい。なるほど、何となくしかわからん。しかも定義って欄に「人によって定義が違うから厄介」って書かれてるし。まぁ言葉なんて大体そんなもんだよね。とりあえずどうしていいかわからないし、普段レポート書く時みたいに一つ一つ細かく見ていくとしよう。

 

まず、最初のこれ「女性が自分の生き方を向上させたり、自身の存在を世の中に示すために使う力を指す言葉。」ってことはつまり、逆に言うと「女性が言うのはいいけど男性が女性に対して言うのは違う」ってことになるんじゃないのか。例えば「そこは女子力でこう、華やかにして下さいよ」っていうのは「男性」が言っているわけだし別に「女性の生き方が向上」する訳ではないので定義としては(現時点では)違うのだと思う。

 

次、多分これのせいで厄介なんだな。「ただし明確な定義はなく、主に女性らしい態度や容姿、女性ならではの感覚・能力を活かすことなどを指す。」これ。ここだな。「明確な定義がない」故にここでトラブルが起きる。明確な定義がないから女性らしさが人によってことなってしまう。ここで最初の話に戻ってみると、違和感のあった言葉が何故違和感があったのか納得がいく。私にとっての女性らしさはまだあまり固まっていないからわからないのだが、少なくともお菓子を焼いたりご飯を作ったりすることでは無い。強いて言うとすれば、私の母のように男女雇用機会均等法が施行されたにも関わらず、未だに男性が下駄を履くことが多いこの世の中を自らの力で生き抜いていくのが女性らしさだと思っている。しかし、パートのお姉さんは「女の子は結婚するならパートで十分よ」と言ったり、女の子なんだから花嫁修業しなきゃとか言ったりする。だから、彼女の中の女性らしさは、きっと専業主婦の家事や育児が出来るかどうかなのだと思う。それも一つの考え方なのかもしれないが、共働きが多いこのご時世、女性は奥さんや彼女でありママでは無いので家事や育児は2人でやっていくものだし女の人がいなきゃ身の回りの事が出来ないならそれは人間力が無いんじゃないですかねぇって思う。というか身の回りのことが出来る、出来ないに男女差なんて無いし。(私は出来ない)

 

そして、「主に女性らしい態度や容姿、女性ならではの感覚・能力を活かすことなどを指す。」女性らしい態度ってなんだろう。口調が柔らかいとかそういうやつだろうか。容姿はスカートとか化粧とかそういうことなのかな、多分。そして感覚と能力、感覚はまだしも能力ってなんだ…?わからん。女性らしいって誰から見て女性らしいなんだろう…。私は推しを見ると「えっっっっ史上最高にめっっっちゃいい女じゃん…結婚して…」って思うんだけど多分「いい女」と「女性らしい」ってのはまた違う気がする。多分、「いい女」は精神的に女であればその範疇に入ると思う(例えば歌舞伎の女形とか、演じてる時はめちゃくちゃいい女)けど、「女性らしい」は体が女性である、さらに言えば男性が女装していたとしても「相手が自分のことを女性として認識している」時に発動される言葉なのだと思う。大島薫さん(男性)が自分を女性だと認知しているバーに行った時の出来事として「男性客がいるときに、他の席ガラ空きなのにママがその客の隣に座らせてきた。なんだかなあと思う。女性の見た目になって、こういう無料コンパニオンみたいな役をやらされるときがある。」と仰っていたが、これが良い例だと思う。女子力と言われる場合、女性であるかどうかは自分ではなく、他人が決めるのだ。ここにも少し違和感を感じるのだろう。例えば、私の友人が「女の子なんだから化粧してスカート履いて女子力上げなよ」と言われたとする。しかし、友人の性自認は女性では無い。とすると、女性では無い人間に女子力を求めている時点でこの発言は既に矛盾していることになるし、友人に女性という性を押し付けていることになる。これは男性に対して「男らしくいろ」と言うのにも通じると思う。(そもそも何を履こうがその人の勝手なのに言ってくる方がおかしいが)

 

結局は女子力だけじゃなくて性別とかの問題って自分と他人の感じ方とか差別と区別の違い問題に来るし、そもそも性別って男や女だけでは無いから考えてるともうなんだかしっちゃかめっちゃかになってきちゃう訳だけども、とりあえずお気持ち表明したいのが、最近燃えてる美術館女子、 私がおそらく定義に入るであろうリケジョも言ってしまえばそうなんだけども「自分らが言うのはまだ良いけど他人に言われるのはちょっと違うんだよな」ってこと。そして、「その言葉を発する際に、相手を軽視しているような内容は含まれていないか?」って所に突き詰めると落ち着くんだと思う。だってさ、「私太ってるから…」って言うのと「太ってるよね」って他人に言われるのは全然違うじゃないですか。それと同じ。美術館女子は美術館女子って言葉そのものもだけど、それに書かれた内容から推測される美術館女子という名前に透けた意図に対して多分ブチ切れられてるんだと思う。私はリケジョと言われても言われるくらいで大して特別変な扱いを受けていた訳では無いが、最近では何かピンクの白衣とティアラを子供に付けさせて実験みたいな遊びをさせる企画とかがあるらしい。ピンクの白衣ってそりゃ最早白衣じゃねぇし白衣が何で白いのか知ってんのかお前ら。ティアラなんか実験中に付けねぇよ、バカにしてんのかって思った。リケジョと呼ばれる我々は決して華やかなものでは無い。専攻にもよるが、ネイルや装飾品は付けられないし髪は短くするかきっちり結ぶ。動物実験がある場合は香水も付けられないしズボンに着替えてマウスなどの世話をする。忙し過ぎてモンエナやレッドブルで翼を生やして力尽きたら床で寝たり、家で化粧する時間が無くてすっぴんだったり学校のトイレで化粧する毎日だ。だから、別に文系に進む女性が多い中で理系に行く私、素敵!なんてこちとら1ミクロンも思ってない。文系には文系の苦労があるのだろうし研究室や専攻にもよるが、大体めちゃくちゃ大変だ。死って感じ。就職につぶしが効くのと文系より何故か他人に興味が無い人間が多いから比較的人間関係がめんどくさくないのと後は単純にやりたいことがあるからこっちに来てる、ただそれだけのことだ。(だから安易に変な作戦で理系の女性人口を増やそうとするの、本当にやめて欲しい…。やりたいことをやらないと大学は辛いから…。)話が逸れたが結局何が言いたいかって、私達めちゃくちゃ真面目にその対象のものに対して本気で取り組んでるんで、〇〇女子とか言うのはまだ許したとしてもそう言いながらバカにしてんのかとしか思えないことすんのやめてくださいってこと。新規参入者からしたらそのコンテンツに関わってる人全体が変な目で見られることがあるしそんなことになったら悲しいやら恥ずかしいやらで折角好きなものに嫌気が差してしまう。てかもう令和だし、そんなことしたらそれを考えた人が馬鹿なのが日本中にバレちゃうし、Twitterとかで炎上するのが目に見えてるからやめた方がいいよ。